振袖の柄にはどんな意味がある?それぞれの意味をご紹介!

歴史ある日本の伝統的な衣装である振袖には、非常に多くの柄やデザインが存在します。
昔から変わらない伝統的なデザインから、従来の振袖にはなかった現代的なデザインまで、非常に多種多様で幅広いデザインの振袖が作られています。

こうした振袖の柄は、ただ単に見た目をきれいにするためだけのものではありません。
柄にはそれぞれ意味があり、深い思いが込められているのです。

今回は、そんな振袖の柄が持つ意味や、大まかな柄の種類、柄が与える印象について解説します。

□振袖の柄の種類は?

振袖には実に多くの種類の柄がありますが、大まかに分類すると以下の3つの種類に分けられます。

1.古典柄
古典柄は、最も伝統的でオーソドックスな柄です。
具体的なデザインとしては、例えば桜や牡丹、梅、扇、熨斗(のし)などが挙げられます。

昔から使われている柄であるため流行に左右されることがなく、華やかで上品な印象を与えられる点が魅力的です。

2.新古典柄
新古典柄は、伝統的でオーソドックスな柄を用いながらも、幾何学的な模様や色使いを取り入れたり、洋柄と組み合わせたりして部分的に現代的な要素を取り入れた柄です。
伝統的な美しさを残しつつも、現代っぽさを取り入れたおしゃれなデザインの柄です。

3.モダン柄
モダン柄は、古典的・伝統的な要素をなくして、薔薇や蝶などの洋柄や、ハートやチェック、ストライプなどのデザインを取り入れた柄です。
ファッション性が高く、個性的な着こなしをしたいという方におすすめの柄です。

デザインの自由度も高いため、髪型やメイクの幅も広がります。

□振袖の柄の印象はどこで決まる?

*柄の多さ

振袖の生地の面積に対してどのくらいのバランスで柄が描かれているかによって、見た目の印象は大きく変わります。
全体的に華やかに柄がちりばめられている振袖が多いですが、一方で柄が描かれていない無地の振袖も存在します。

無地の振袖は珍しいため着こなしが難しくなりますが、上手に小物と合わせることによって、ハイセンスな着こなしができます。
無地の場合はスタイリッシュでモードな印象にもできるため、周りと差をつけて個性を出したいという方にもおすすめです。

*メインの柄の位置

同じような柄の振袖でも、メインの柄がどこにあるかによって印象には違いが生まれます。
多くの場合、メインの柄は膝上くらいの位置に配置されるため、振袖選びで迷った際には、膝の上あたりの位置を見比べてみると比較しやすくなるかもしれません。

また、メインの柄がなく、全体的にバランスよく同じような柄が配置されている振袖もあります。
そのような振袖は全体的にまとまりがあり、より奥ゆかしさを感じられるなどといった魅力があります。

□振袖の柄にはどんな意味がある?

ここからは、振袖の柄にはどのような意味が込められているのか解説します。

1.桜
桜は日本を代表する花であり、多くの振袖に使われています。
「縁起の良い物事の始まり」といった意味を持ち、晴れの日にピッタリな縁起の良い柄であるといえます。

2.梅
梅は厳しい寒さの中でも花を咲かせることから、忍耐や力強さを表すとされています。
「松」や「竹」と一緒に松竹梅として描かれることも多く、非常に縁起の良い柄として親しまれています。

3.菊
菊は邪気を払う長寿の象徴として、振袖はもちろん、和菓子や仏具など、様々なものの柄として用いられてきました。
「万寿菊」や「乱菊」など、同じ菊でもデザインにバリエーションがあることも特徴的です。

4.牡丹
牡丹は華やかで豪華な見た目から、富や地位の象徴とされています。
さらに、覇者の象徴として武士に親しまれてきた歴史もあり、非常に縁起の良い柄だとされています。

5.鞠(まり)
鞠は、ある地域では生まれてきた女の子に対して魔除けとして贈られていたという歴史もあります。

「どんな困難も丸く収まる」「弾むような幸せがいつまでも続く」といった意味が込められており、女性の幸せを願うモチーフとして親しまれています。

6.雪輪
雪輪は、雪の結晶をくぼみのある円形で表した、かわいらしい柄です。
雪は溶けると水になり作物を育ててくれることから、豊作を願うモチーフや五穀豊穣の象徴として親しまれています。

7.流水
水は生命にとって必要不可欠であり、美しい景色を作り出すことから、振袖の柄としても多く用いられています。
日本は水に恵まれているため、美しい草花や風景とともに水が描かれることも多いです。

流水は常に流れ続けていることから、「清らかで腐らない」「厄を流す」「お清め」「火難除け」などの意味を持っています。

8.鶴
「鶴は千年」という言葉のように、長寿や生命力の象徴とされています。
しなやかで美しい姿から、高貴さや幸福の意味も込められています。

□まとめ

今回は、振袖の柄の種類や柄が与える印象、それぞれの柄が持つ意味についてご紹介しました。

振袖の柄はそれぞれ異なる意味を持ち、そこには「幸福」「長寿」「清らか」「五穀豊穣」など、様々な思いが込められています。
柄が持つ意味を知ることでより振袖について理解でき、晴れの日をより思い出深いものにできます。

また、振袖選びの参考にもできるため、これから振袖を選ぶという方は、ぜひ柄が持つ意味についても意識してみてください。

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