「一生に一度の成人式だから、あまり安っぽい振袖は着たくない」
「どうせなら良い振袖を着たい」
成人式を控えていらっしゃる女性の多くは、このような考えをお持ちなのではないでしょうか。
成人式は一生に一度であるため、どの振袖を選ぶかはとても重要ですよね。
今回は、高い振袖の見分け方や、高級振袖を選ぶときのポイントを紹介します。
□高い振袖の見分け方は?
高い振袖を見分けるときのポイントとしては、主に以下の4つが挙げられます。
1つ目は、生地です。
使っている生地が違えば、振袖としての価値にも違いが生まれます。
生地には高いものと安いものがあります。
高いものを使っている振袖であれば、当然価値は高くなります。
高い着物でよく使われている生地は、絹や木綿、麻です。
この中でも、絹は特に高級な生地とされています。
絹の中でも、正絹(しょうけん)と呼ばれる、純粋な絹だけで作られた生地は、最も価値の高いものとされています。
木綿と麻は、どちらも肌触りが良い上に風通しも良く、着心地に優れています。
夏に着る着物の素材としてよく使われます。
反対に安い振袖の生地として使われるのは、ポリエステルやウールです。
ポリエステルは広く衣料品の生地として使われており、比較的安価で手に入ります。
大量生産が可能であることから、生地としての価値はあまり高くありません。
ウールは冬物の衣料によく使用されており、保温効果が高いことが特徴です。
生地としての価値は高くありませんが、どちらも自宅で洗濯ができるなど、取り扱いが楽という良さがあります。
2つ目は、縫い方です。
どんな縫い方で作られているかも、価値に影響します。
高い着物は、安い着物に比べて使われている糸の本数が多いため、ずっしりとした重みが感じられます。
また、縫い方の丁寧さにも、高いものと安いものとでは差が見られます。
3つ目は、染め方です。
着物の染め方には、「インクジェットプリント」と「手染め」の2種類があります。
機械を使用するインクジェットプリントよりも、手作業で行う手染めの方が、振袖の価値が高くなります。
インクジェットプリントと手染めを見分ける方法は、生地の裏面を見ることです。
インクジェットプリントは通常、生地の表面だけでプリントを行うため、裏面は白いままです。
このほかにも、「型染」や「手描染」などの止め方があります。
型染は手作業ではあるものの、手染めに比べると安価で購入できます。
手描染も同じく手作業ですが、型染に比べると価格は高くなります。
4つ目は、証紙の有無です。
証紙とは、着物が本物であることを組合が公的に認めた証です。
証紙があることは、高級であることの証です。
証紙がないからといって価値が低いということにはなりませんが、証紙があればその着物の価値は保証されていると言えるでしょう。
□高い振袖・安い振袖の柄は?
高い振袖と安い振袖で、柄にはどのような違いがあるのでしょうか。
結論から言うと、高い振袖と安い振袖で柄に違いは生まれません。
高級な柄や安っぽい柄が決まっているわけではないため、使われている柄で価値が決まることは基本的にありません。
どんな柄が描かれているかではなく、その柄がどのように描かれているかによって価値が変わります。
前述したように、高い着物と安い着物では染め方に違いがあります。
同じ柄でも、機械によるプリントと手描きでは仕上がりが異なるため、振袖としての価値に違いが生まれます。
例えば、絞りの施された振袖は人気が高いですが、プリントによって柄が印刷された「絞り風の柄」になると、重厚感のある質感や凹凸がなくなり、安っぽく見えてしまいます。
振袖を見るときは、柄自体に注目することも大切ですが、柄の質感や凹凸に注目することも大切です。
□高級振袖を選びたいときにはどうすれば良い?
*高級振袖で見るべきポイントは?
「せっかくの成人式だから」と、高級振袖を選びたい方もいらっしゃるでしょう。
高級振袖を選びたいときには、証紙を確認しましょう。
前述したように、質の高い振袖には、証紙がついています。
高級な振袖では仕立てを行いますが、この仕立てをする前には、布は反物と呼ばれる巻物の状態になっています。
この反物に証紙が貼られていた場合、その生地は伝統的な染め方で作られた価値の高い本物の生地だと言えます。
*証紙にはどんなものがある?
価値の高い伝統的な染め方としては、「京友禅」や「加賀友禅」が挙げられます。
京友禅には京友禅証紙が貼られており、加賀友禅には加賀友禅証紙が貼られています。
そのため、証紙を見ればすぐにわかります。
他にも、伝統工芸士の反物には、伝統証紙が貼られています。
このように、証紙を見ることによって、その着物の価値をある程度判断できます。
□まとめ
今回は、高い振袖と安い振袖の見分け方や柄の違い、高級振袖を選びたいときの方法について解説しました。
高い振袖と安い振袖にはそれぞれ異なる特徴があるため、ぜひ振袖選びの際にも確認してみてください。
成人式の振袖をお探しの方は、お気軽にご相談ください。