振袖・浴衣・着物は何が違う?それぞれの違いをご紹介!

和服には、さまざまな種類のものがあります。
見かける機会の多い和服としては、振袖や浴衣などが挙げられます。
では、振袖や浴衣、着物などには、どういった違いがあるのでしょうか。
今回は、これらの違いについて解説します。

□振袖・浴衣・着物の違いは?

日本人にとって、着物は非常に馴染み深い衣装です。
普段着る機会はないかもしれませんが、式典やお祭りなど、重要な場面や特別な場面ではよく着用されていますよね。
着物を上手に着こなしている姿を見ると、美しさについ見とれてしまったり、穏やかな気分になったり、といったこともあるでしょう。

そんな着物ですが、浴衣や振袖など、似ているようで少し違うものがいくつかあります。
ここでは、それらの違いについてご紹介します。

*着物とは

着物は、和服とも呼ばれます。
古くから日本で親しまれてきた、伝統的な民族衣装です。
冠婚葬祭や、お呼ばれしたときなどに着用されますが、必ずしも特別な場面で着られる服というわけではありません。
高級感のある着物はもちろん、日常生活でも着ていられるような快適な着物も存在します。

代表的な着物としては、以下のような種類が挙げられます。

・振袖(ふりそで)
・浴衣(ゆかた)
・留袖(とめそで)
・訪問着(ほうもんぎ)

留袖は、既婚女性の和服の第一礼装とされています。
訪問着は、多くの場面で着用できる和服です。

振袖と浴衣については、もう少し詳しく見ていきましょう。

*振袖とは

振袖は着物の一種で、他の着物に比べて袖が長いのが特徴的です。
文字通り、袖を振ることに由来しており、袖がゆらゆらと揺れるシルエットに美しさがあります。
袖の長さは異なりますが、基本的な形は他の着物と同じであるため、着物の一種となります。

江戸時代(1603年〜1868年)の前期に誕生したと言われており、長い歴史のある衣装です。
当時、若い女性が着る和服の袖が次第に長くなっていき、それによって振袖が誕生したと言われています。
ちなみに、袖を振ることは昔の女性の愛情表現のひとつだと言われています。

*浴衣とは

浴衣も、振袖と同様に着物の一種です。
浴衣のルーツは、平安時代に貴族が入浴時に着ていた湯帷子(ゆかたびら)から来ていると言われています。
平安時代のお風呂は現代と違い、蒸し風呂が一般的で、火傷防止や他人に肌を見せないために、湯帷子を着用して入浴していたのです。

のちに、安土桃山時代ごろになると裸で入浴するようになり、浴衣は風呂上がりに肌に残った水分を吸わせるためのものになっていったそうです。
さらに、江戸時代後期ごろになると大衆浴場が普及し、それと同時に、風呂上がりに着てそのまま外を歩ける手軽さから、浴衣が広まっていったそうです。

明治時代には夏の普段着として定着し、現在ではお祭りなど、暑い時期の遊び着として着られています。

□振袖と浴衣の違いとは?

振袖と浴衣にはさまざまな部分で違いがあります。
ここでは、5つの観点から見た違いをご紹介します。

1つ目は、用途です。
振袖は、まだ結婚をしていない女性の第一礼装とされており、フォーマルな場面や華やかな場面で着用するのが望ましいです。
実際に、成人式や卒業式など、式典でよく着られています。
一方で浴衣は、夏祭りや花火大会など、夏のカジュアルな場面に着ていくのがふさわしいです。

2つ目は、素材や生地です。
着物には、絹や木綿、ウール、ポリエステル、麻など、さまざまな素材が使用されます。
この中では絹が最も質が高く、高級品とされています。

最近ではポリエステルの着物も多く、振袖では絹やポリエステルが多く使用されています。
浴衣では、昔は麻が多く用いられていましたが、現在では木綿と麻の混合生地や、ポリエステルの生地が多いです。

3つ目は、身につけるものです。
振袖の場合は、襦袢(じゅばん)というインナーのようなものを身につけます。
浴衣の場合は、襦袢は身につけません。
帯はどちらの場合も身につけますが、浴衣の帯は幅が小さいのが特徴的です。

振袖では足袋を履いた状態で草履を履きます。
対して浴衣では足袋は履かず、素足に下駄を履くのが一般的です。

髪飾りについては、どちらの場合でも身につけられます。
ただし、華やかな場面で着られる振袖に合わせる髪飾りは華々しくインパクトのあるものが多いです。
一方で浴衣の場合は、あまり主張の強すぎない髪飾りがよく合います。
浴衣に派手すぎる髪飾りを合わせると不釣り合いな印象になったり、子供っぽい見た目になったりしてしまいます。

5つ目は、着付け方です。
振袖の場合、着物の格や帯の締め方によって着付け方が異なります。
そのため、一概にこのような着付け方をする、とは言えないのです。
また、帯締めなどが必要になるなど、多くの手間がかかります。
手順は複雑で、数十分あるいは1時間程度かかることもあります。

浴衣の場合は、手軽に着付けができ、早ければ10分程度で終わるでしょう。

□まとめ

今回は、振袖・浴衣・着物の違いについて解説しました。
振袖と浴衣は着物の一種であり、それぞれ違った場面で着用されます。
振袖はレンタルで着られるところも多いため、振袖を着たいという方はぜひ一度レンタルを検討してみてください。